オホーツク・太平洋分水嶺踏査
-計画-


   北海道を南北に走る中央分水嶺は2006年JAC本部が主催する百年記念事業の一環として、1133q完全踏査という輝かしい成果を上げて終了した。
   その後、もう一つのオホーツク分水嶺350qを踏査し、北海道分水嶺を完全踏査しようとの気運が盛り上がり、2007年支部総会にて実行委員会が結成された。
   その年の5月初旬から踏査が始まった。しかし、11月23日上ホロカメットク山雪崩事故によって4名の岳友を失うという未曾有の事態に陥った。一年間の山行自粛、実行委員会は企画委員会に吸収されることになった。

   そのような経過を辿りながら、09年度総会にてオホーツク分水嶺調査委員会が成立した。会員のさらなる高齢化、踏査意識の低迷、そして何よりも安全登山の実行を考え、支部として実現可能かを探る一年間であった。
  その後、支部晩餐会や新年会を通じて、オホーツク分水嶺踏査への協力の申し出が相次いだ。中央分水嶺踏査の経験が、山を目指す者にとって、大きな糧となったという意見も寄せられた。
   そして、亡くなった4人がオホーツクへの夢を実現すべく上ホロでの訓練に参加していた事実も忘れてはならない。
   私たちは、彼らの志を継承し、今まで積み上げてきた登山知識や技術、高い目標を追求することで、会員意識の向上、支部の再生、さらなる活性化を図ることを目的としてオホーツク分水嶺実行委員会を再結成することとした。

  そして、2010年4月調査山行を実施。その結果を得て、本年2月から本格的に踏査を開始することとなったものである。
   この行事達成には多くの会員の協力が不可欠である。というより会員が心を一つにしてこの大事業を成功裡に終わらせなければならない。

 その先に最終章としてのカムチャッカの山々がある、との認識を強く持ちたい。


●計画実施期間
 @ 2 0 1 2 年春までに知床区間(C区域)を除いて踏査する。 
 A 1年間の踏査実体から判断して知床区間の実施可能性を探る。
 B 踏査区域責任者が、実施本隊、見送り隊、出迎え隊を組織する。 
   
●基本方針
 @ 原則として、峠から峠へ、できる限り長距離で踏査する。
 A 偵察行は分水嶺上でも、本隊通過時の実績とする。
 B 1名以上のJAC会員が参加するパーティー編成とする。
   C 遭難対策連絡網の活用。地区関係者と確認。
   D 安全登山に努める。
   E 雪崩講習会の積極的受講。
   F ビーコン、スコップ、プローブの携行。
   G 山行リーダーによる登山届けを関係機関、遭難対策連絡網の定めによって提出