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  • 雌阿寒岳登山規制

     札幌管区気象台の「噴火警報」発表で雌阿寒岳の噴火警戒レベルが「1(活火山であることに留意)」から「2(火口周辺規制)」に引き上げられたことをうけて、山域を抱える釧路市は9月15日午後3時20分、6合目からポンマチネシリ火口までの範囲の立ち入りを規制を発表し、登山道も規制対象となった。

     気象台は、ポンマチネシリ火口から約500mの範囲では、噴火に伴い弾道を描いて飛散する大きな噴石が飛ぶ可能性があり、風下側では火山灰や小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあると警戒を呼び掛けている。

     16日には同火口内とその周辺に火山灰の堆積を確認、噴火の可能性も懸念される。

     雌阿寒岳が噴火警戒レベル「2」になるのは、2018年12月以来7年ぶりだ。

  • 雌阿寒岳で火山性微動

     阿寒湖畔の「日本百名山」雌阿寒岳(1499㍍)で9月12日午後2時40分ごろから約7分間、火山性微動を観測したとして、札幌管区気象台が発表、火山ガスや火山灰の噴出に注意するよう呼び掛けている。噴火警戒レベルは「1」(1~5の5段階評価の最低レベルの警戒喚起)。

     雌阿寒岳での火山性微動観測は2024年11月6日以来になる。火山性地震も増加しており、11日午後3時~12日午後4時にかけて83回を数えている。

    ※北海道新聞朝刊(9月13日付け朝刊記事を元に構成)

    札幌管区気象台は9月15日、雌阿寒岳の噴火警戒レベルを、火口周辺への立ち入りを規制する2に引き上げた。

    今後、ポンマチネシリ火口から半径500メートル以内に影響を及ぼす噴火の可能性が指摘されている。

    以下は気象庁の発表資料から転載(9月12日の山頂周辺の噴煙の様子)

  • 羅臼岳ヒグマ襲撃事故、知床ヒグマ対策連絡会議が会見、資料を公開 

     羅臼岳ヒグマ襲撃死亡事故(2025年8月14日発生)に関し、知床財団を含む知床ヒグマ対策連絡会議が9月11日に会見し、「事故の概要」を公表した。

     8月21日と9月1日に知床財団が発表した調査速報で不明確だった部分に関して加筆すべき記載情報を詳述する。

     この日の会見では、「再発防止策」がまとまるまで、羅臼岳登山道(岩尾別コースと羅臼コース)は閉鎖が解除されないことも明らかにされた。以下に掲載した画像データはすべて、この会見で配布された公表資料から転載。

    ■事故発生現場

     事故発生は8月14日午前11時ごろ。岩尾別コースの登山口から約1400㍍地点(1時間程度の所要時間)の通称560㍍岩峰付近の幅約110㌢の登山道上で、獣道が横切った地点。

    ■被害者男性の状況(抜粋になるが、引用部は原文のまま)

    ・事故発生時、被害者は単独で走って移動していた可能性が高い。移動速度などは不詳であるが、登山全体の行程から類推してもかなり速いペースで下山していたことは確かである。早いペースを意識し「走れるところは走る」といった行動をしていたが、いわゆる「トレイルランニング」と呼ばれるスタイルを志向した登山ではない。

    ・被害者はクマ鈴は携行していた。クマスプレーは不明である。その後の調査においても所持や使用に関する情報はなく、所持していなかった可能性が高い。

    ■事故発生後の状況(抜粋になるが、引用部は原文のまま)

    ・(被害者の後方約200㍍を歩いて下山中だった)同行者は、被害者の助けを呼ぶ声で事故の発生を知覚し、登山道から外れて林内斜面を下り、ヒグマに襲われている被害者を林内で発見した。この際、同行者が確認したヒグマは1頭との情報である。

    ・同行者は応戦と救助を試みたが、ヒグマは被害者から離れなかったため、携帯電話の通じる登山道上に移動し、警察へ通報を行った(通報時間11:10)。

    ・同行者は強力催涙スプレー(現段階でヒグマに対応したものであったかは不明)を所持していたが、使用履歴が不明のものだった。事故発生時の初期対応において使用を試みたが、噴射できていない。登山開始時にすでに空の状態だった可能性がある。

    襲撃した母グマと子グマは事故前から、再三、人の前に現われ、目撃されていた。

  • 愛山渓温泉の今後は?

     安足間岳や愛別岳など大雪山系の登山口の一つ、上川町・愛山渓温泉「愛山渓倶楽部」(標高1000㍍)の今後に暗雲が立ち込めている。上川町から9年間委託運営を受けて営業してきたりんゆう観光(札幌)が今年10月5日の今季営業最終日をもって委託運営に終止符を打ち、来年以降の運営から手を引くことが愛山渓温泉のホームページで公表された。

     建物や温泉の所有者である上川町によると、来年以降の運営、営業の可否は現時点ではっきりしていないという。登山者にとっても重要な拠点だった、源泉かけ流しの炭酸水素塩泉の山中の秘湯の宿の今後が心配される。

     大雪山系の上川町では今夏、高原沼などの沼巡りや緑(松浦)岳の登山口である高原温泉「大雪高原山荘」(標高1260㍍)が7月、所有者である日本製紙から営業休止が正式に発表され、来年以降の営業再開も危ぶまれている。

     源泉かけ流しで白濁湯の山中の秘湯宿には熱烈なファンが多いこともあるが、愛山渓温泉ともども大雪山系登山の重要な拠点でもあり、除雪や車両通行の前提でもある秘湯温泉宿の相次ぐ営業休止の今後が気になる。

    愛山渓温泉 明治末期に発見され、大正時代後半に温泉宿としてスタート。1936年(昭和11年)に自動車道路約20㌔が完成し、表大雪の登山口の一つと位置付けられて温泉宿は増改築。戦後になって1948年(昭和23年)、旭川林務署が隣接地に山小屋「愛山荘ヒュッテ」を建設。温泉宿は1950年(昭和25年)、愛別村の村営宿泊所「愛山渓クラブ」となり、1980年(昭和55年)に「上川町営愛山渓青少年の家」として、現在の鉄筋コンクリート2階建ての本館が完成。2000年(平成12年)から15年間、国道39号入口の愛山渓ドライブインが「愛山渓倶楽部」の名で委託運営、2017年(平成29年)からりんゆう観光が委託運営に当たってきた。

  • 「雪崩から身を守るために」講演会

    雪崩事故防止研究会が毎年、冬シーズン前に各地で開いている雪崩対策の講演会の今冬(10~12月)の概要が決まった。札幌・北大、鳥取県・大山、栃木県・大田原、東京都・青山学院大、長野県・白馬の5か所で開催する。講演会に関連して、雪崩トランシーバーを使った「雪崩サーチ&レスキュー講習会」が10月26日(日)に札幌・北大、11月16日(日)に鳥取・大山、12月7日(日)に東京・代々木公園、12月17日(水)に福島・ネコママウンテンスキー場、12月20日(土)に群馬・谷川岳ヨッホスキー場などで予定されている。講演会は無料だが、「雪崩サーチ&レスキュー講習会」は有料。詳しくは雪崩事故防止研究会のホームページを参照されたい。https://www.assh1991.net/

    ■札幌会場 第33回講演会

    10月25日(土)10時~18時、北大高等教育推進機構大講堂

    ■鳥取県・大山(だいせん)会場 第2回講演会

    11月15日(土)10時~17時30分、大山総合体育館

    ■栃木県・大田原会場 第8回講演会

    11月29日(土)10時~18時、大田原市ピア-トホール

    ■東京会場 第7回講演会

    11月30日(日)10時~18時、青山学院大

    ■長野県・白馬会場会場 第6回講演会

    12月13日(土)14時~21時、協和ウイング白馬(白馬村)