日高山脈登山会議(日高町)は10月12日、同山脈の国立公園化1年に合わせて、三号の沢(サンゴ渓谷コース)から北日高岳に至る「ホロナイ林道」「トラバースルート」を使って、地域の産業遺産と北日高岳を巡るルートで「第1回北日高岳登山会」を開いた。


北日高岳は日高町市街地背後にある日高山脈唯一の本格的なスキー場のある山として知られるが、山麓部は、王子製紙(苫小牧)に製紙原木材を供給した沙流川流送発祥地やクロム鉄鉱石を採掘・鉱石運搬路づくりのため沢水を流したことで生まれた「サンゴの滝」などの産業遺産を抱える。「沙流川流送発祥地」碑や「サンゴの滝」を経由して、北日高岳北面に開削された登山道を歩くことで、産業遺産と日高山脈では珍しい里山的なこの山周辺の魅力を発信するため企画された。
4時間半の行程中、2つの山小屋(第一山小屋とパノラマ小屋)では、山岳ガイドで日高山脈ファンクラブ会長の樋口和生さん=札幌、南極観測の第57次隊(2015年11月~2017年3月)と第64次隊(2022年11月~2024年3月)越冬隊長=が、南極に関するミニ講話などを行い、花を添えた。

