2つの分水嶺踏査と上ホロ雪崩遭難

 私たちは2004年~14年、北海道の背骨である2つの分水嶺踏査をリレー方式で実施、多くの会員・会友、外部の賛同者が関わって達成しました。北海道を東西に分ける北海道中央分水嶺踏査と、道東地方を南北に分けるオホーツク・太平洋分水嶺踏査。この2つの分水嶺踏査のさなかの2007年11月、分水嶺踏査の訓練として実施した十勝岳連峰・上ホロカメットク山での氷雪訓練山行の移動途中、化物岩登攀者が起こした表層雪崩に、支部パーティー11人が巻き込まれ、2つの分水嶺踏査の中核を担った4人の仲間を亡くしました。

 事故の検証作業と反省、雪崩対策強化のため3年余りの中断を余儀なくされましたが、4人の弔いのためにも、2つの分水嶺踏査を完遂できたことを記録と記憶に長く留めたく、このホームページにもエッセンスを掲載します。分水嶺踏査の詳細な記録は3冊の報告書にまとめています。

北海道中央分水嶺踏査の報告書(左の2冊)とオホーツク・太平洋分水嶺踏査の報告書(右)

オホーツク・太平洋分水嶺を忠実にトレースるため、羅臼岳南西稜を下降する=2014年4月下旬

両端距離期間参加延べ人員
北海道中央分水嶺宗谷岬~白神岬1132㌔2004年1月~06年7月968人
オホーツク・太平洋分水嶺三国山~知床岬350㌔2007年5月~14年4月168人

北海道中央分水嶺踏査

オホーツク・太平洋分水嶺踏査

上ホロ雪崩遭難「13回忌」として、化物岩直下の遭難現場で慰霊する=2018年11月