【研修山行】2025.6.29 鷲別来馬岳~鷲別岳周回

鷲別来馬川・裏沢~鷲別岳(911㍍)~滝沢<沢登り研修>

 沢登りシーズン前に、沢で使うロープワークの練度を上げるため、沢初心者Yさんの訓練を主目的に、7人で、室蘭・登別の岳人がルート開拓を進めてきた鷲別来馬川・裏沢で登りでのロープ、滝沢の下りで懸垂下降を想定して鷲別岳(室蘭岳)北面の沢周回ルートで訓練な1日を過ごす。

 前日28日は、かつての幌別鉱山の一角、登別市鉱山町の登別市ネイチャーセンター「ふぉれすと鉱山」(廃校になった鉱山小中学校跡)に泊まって懇親した。

 29日はふぉれすと鉱山を出発し、鷲別来馬川沿いの牛舎奥林道から20分で林道奥の「かつら広場」まで。途中で滝沢林道に車を2台をデポして残り2台でかつら広場まで入った。せっかくなので広場から登山道が付けられている川又温泉へ。しばし入浴させてもらうが、沢水が入るためか温めの湯加減だった。

 再び来馬鷲別川を二股まで下り、裏沢に入渓する。標高480㍍地点まではナメ滝も混じるゴーロ主体の沢筋。cont.480二股からの左股だが、水量が少なく、沢筋への堆積が進みしばらく枯れ沢(伏流)が続いたのには少し驚いた。2013年当時はずっと水流が続いていた左股は大きく変貌した印象だ。中流域の滝と上部の岩稜帯の土壁帯でロープワーク(フィックスとゴボウ抜き)の訓練を行い、鷲別岳北尾根の登山道に出る。登山道に出てからは折からの暑さと日射で、鷲別岳山頂では皆、熱中症気味だった。山頂からはカムイヌプリへの登山道を下って、立派な標識がある滝沢下降地点から、水流が恋しかった滝沢へ。

 滝沢の心地よい水流に足を浸しながら想定していた段差地点で懸垂下降を行う。想定したもう一か所ではフィックスロープ2本を使わせてもらって沢床に降り立ち、あとはきれいな沢筋を下って滝沢林道を経由して車を回収し、下山の途についた。

 鷲別岳~カムイヌプリ山域の沢筋は、室蘭~登別などの山岳会や岳人らがルート開拓してきた歴史があるためか過去記録も多く、ルート標識などが整備されている印象があるが、裏沢はルートによっては難易度が高くなるので侮れない。

■川又温泉

 鷲別来馬川沿いの野湯。アイヌ民族の間で古くから「クスリアフプカルシ(薬湯をよくもらうところ)」と呼ばれていたとされるが、明治41年(1908年)、幌別鉱山で木賃宿を経営していた川又兵吉が発見し、昭和7年(1932年)に湯治用の宿舎が建てられたとされる。温泉のすぐ下流が「二股」になっており、「川股温泉」の記述もある。現在は沢沿いに浴槽が残るのみだ。